親・子ども・園のデータ

保護者への一斉メールや休み連絡といった「園ICT化」への移行状況

園にシステムを導入している園は86.7%

株式会社こどもりびんぐでは、今どきの園児とその家族(ママ・パパ)の実情や園の出来事・取り組みなどについて、幼稚園の先生や保育園の保育士の方々と情報交換をする「園巡回スタッフ」が在籍しています。今回は、そのスタッフが2022年5月に収集した、首都圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)のあんふぁん・ぎゅって配布園計126園の「園ICT化への移行状況」についてご紹介します。

◆園にシステムを取り入れている園は、86.7%。使用目的は「保護者へのメール」が1位。

何かしらのシステムを取り入れている園は、幼稚園82.7%、保育園90.2%、全体では86.7%となり、幼稚園・保育園共にほとんどの園が取り入れていることが分かりました。システムの満足度を10点満点で答えてもらうと、幼稚園は平均7.4点、保育園は6.5点に。満足している理由は、「ICT化したことで事務が楽になった」「内容ごとに複数のサービスを利用している。とても満足している」などの意見が多くありました。一方、「アプリ内に有料サービスがたくさんあるのは知っているが、お金がかかるので最低限の利用にしているため、行政から提出を求められるデータをすぐに取り出せないなど不便」「使用し始めたばかりだが、保育園向けで幼稚園には使い勝手が悪い」など不満に思っている意見も。

使用目的は、幼稚園・保育園ともに「保護者へのメール」が1位。幼稚園2位の「写真販売」は、保育園では4位と、今回の調査では差異がありました。また、保育園で「園バス確認」を目的として使用している園が0園なのに対し、幼稚園では9園が使用。幼稚園と保育園の通園方法の差が分かる結果となりました。

◆システムは、幼稚園より保育園の方が早く導入

利用スタートの時期を聞くと、幼稚園が2020年の19.4%、保育園は2018年の22.0%とそれぞれ最も多い結果に。今回の調査では、幼稚園より保育園の方が早くシステムを導入している様子が分かりました。

 

◆導入していない園の理由は、「園務にも保育にも必要ない」

システムを利用することによって、「忙しい先生達の負担を軽減して、保育に時間をかけてもらえてとても良い」「先生達はとても忙しいのでICT化するのは良いことだと思う」という意見がある一方で、「何かあったときの保護者に対しての一斉メール以外にICT化する予定はない。保護者会が以前からないので、園に来てもらう機会も少なく、少しでもコミュニケーションとりたい。昔ながらに写真も見に来てもらっている 」「一斉配信考えていない。欠席連絡も電話で様子を聞くのがいいと思っている」という回答も。ICT化することで保護者とコミュニケーションが取れなくなることを嫌がる声もあり、システムを導入することを考えていない園もありました。

◆より良いシステムに変更していく園がある一方、PCの設備が整っている園はまだ少ない

園に話を聞くと、「旧システムから新システムに5月から少しずつ移行中。移行のきっかけは保護者にバスの位置確認をしたいと要望があったため 」と、より使いやすくするために他のシステムに変更している園もあることが分かりました。

とはいえ、「PCでの利用推進だが、現場としてはタブレットを希望。職員1~2人に1台は予算的に難しい」との答えも。現場の先生が個別に使用できるほど、PCなどの設備が整っている園はまだ少なく、「園メールは園長のみ使用している」という園が多い印象を受けました。

 

 

■本件に関するお問い合わせ先

株式会社こどもりびんぐ シルミル研究所  担当:飯倉・岡﨑

TEL:03-5244-5761(10:00~17:00 ※土・日曜、祝日を除く)

E-mail:enfant@kodomoliving.co.jp