園ふぁん 2024年12月号
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- 子ども主体の街ぐるみの保
育を理念とする園。都内に
6園あり、アトリエやコミュ
ニティコーディネーターの
配置など、独自の取り組み
で 子どもたちの 豊 かな創
造力を育んでいます。
市民としての子どもを尊重
イタリア発祥の「レッジョ・エミリア・アプローチ」は、体験型学習、
プロジェクトベースの活動、創造的な保育環境が特徴の子ども中
心の教育哲学。この理念を取り入れた「まちのこども園」では、子
どもの学び•育ちに、コミュニティが参加することを大切にしてい
ます。また「環境は第三の教師」という視点も大切に、子どもたち
の探究心を育むための環境づくりを整えています。
まちのこども園 代々木公園
(東京都渋谷区)
園長 伊藤美沙子先生
子どもの成長を尊重する
「保育室」
天井や壁など、子どもたちの
作品が部屋中に。1年を通して
飾ることで、視覚的に自分や
友だちの作品が見えることで
次の作品づくりへの意欲、友
達の作品に刺激を受けること
にもつながっていきます。
表現方法を学ぶ「アトリエ」
アトリエと呼ばれる場所には、松ぼっくりや
木の枝などの自然素材、廃材などが並んで
います。
クレヨンやペンなど1つの色でもさま
ざまな種類を用意。子どもの自由な発想で
幾通りもの創作物が表現できる挑戦の場に。
街の八百屋さんと交流
コミュニティの範囲には「まち」
も含まれるため給食の食材は
地域のお店から仕入れ。日頃
食べている食材について、地
元の原宿青果店を訪れた子ど
もたちは、とうもろこしの甘さ
の違いについても質問を。
5
第三の教師は環境
第二の教師は子ども同士
第一の教師は保育者
毎日を過ごす「保育室」をどのようにレイア
ウトするか。創造力を育む「アトリエ」にどん
な素材を置くかで、子どもたちの学ぶ意欲
も大きく変化。子どもたちの目に触れる「環
境」全てが保育に大切な教師です。
アトリエ、園庭などの各エリアには、異年齢
の子どもたちが集まって好きな活動ができる
ため、その中で教え合ったり、まねたりする
ことも学びにつながっています。子ども同士
が身近な先生としての役割にも。
教える人と教わる人という関係性ではなく、
子どもが信頼でき、対等に話せるパートナー
として存在しています。その上で、子どもの
学ぶ力、育つ力が発揮できるよう、日々探究
しながら子どもたちをサポートしています。
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