園ふぁん 2024年12月号
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- こころ豊かに生きる力の
基礎を育む ことを保育理
念に掲げ、
「とうきょう すく
わくプログラム」のほかに
も総合スポーツプログラム
など、幅広いプログラムを
取り入れています。
子どもたちの秘めた能力も発見
「とうきょう すくわくプログラム」は子どもたちの探究心を推進する
幼保共通のプログラム。2024年のスタート時から参加しているす
みれ保育園は、0歳児が「光」をテーマに、5歳児クラスが「ぐるぐ
る」をテーマに、少人数グループで探究を続けています。活動後に
は「振り返り」シートを作成することで子どもたちの新しい視点や
意欲が育まれます。
すみれ保育園
(東京都福生市)
園長 肥沼直美先生
5 歳 児の
テーマ「
ぐるぐる
」
子どもたちが、
こまやフラフープがくるくる回る不
思議に興味を持ったことから、テーマを
「ぐるぐる」
に設定。身近な「ぐるぐる」探しで、朝顔のつるが「く
るくる」
していることも発見
「ぐるぐる」を絵にしてみると、その表現方法はグループに
よってさまざま。大きな用紙に体全体を使って「ぐるぐる」
を描いたり、黒い紙に白一色で「ぐるぐる」をつなげたり。
個々の豊かな発想力を発見する時間に
最初は、座り込み小さく描いて楽しんでいた子
どもたち。
保育士の「大きく描いてもいいんだよ」の一声
で一人の子の目の色が変わり、立ち上がって
全身を使い描き始めた。一人の子が全身を使
って描き始めたのを見て他の二人も、ペンをグ
ルグル回すだけでなく、自分自身もグルグル
回りながら楽しんで描き始めていた。最後は
「フー!フ―!」と言い寝転がりながらグルグル
回って描いていた。
終わった後に「これじゃ探究活動じゃなくてフ
ーフー活動じゃん」と満足そうな笑顔で言って
いたのが印象的だった。
「振り返り」シートは活動報
告だけにとどまらず、子ども
たちの細かな成長の過程や
変化、先生の視点を加える
ことで 、次 の 探 究 活 動 がさ
らにブラッシュアップ
「ぐるぐる」を立体的に表
現する時間では、組み立
てたワイヤーをO H P に
投影し、その影の中に体
を入れたり、体に巻き付
けたり。グループごとに
違った視点で「ぐるぐる」
を表現
普段人の前に立ったり、目立つ事をする事が
苦手な子が大きな声を出して一心不乱に回り
ながら描いていたので、なにか開放されたよう
な感じがした。
「振り返り」が成長に
探究活動では、写真とともに子どもたちの活
動状況を「振り返り」シートに記載。成長や
新たな気付きを知るだけではなく、先生方も
保育に新たな視点や意欲が生まれ、子ども
と先生の双方の成長につながります。
テーマに沿って「環境設定」
探究活動を行う際は、多くの素材を用意し
過ぎず、質感の異なる紙や肌触りの異なる
筆など最小限を用意。自然と子どもの関係
性や美しさも大事にしながら、本物に触れさ
せることを心がけて素材集めを行います。
少人数でグループ分け
探究活動は、1グループ4∼5人の少人数制で
行います。一人一人に目が行き届くので子ど
もたちの意外な一面、秘められた能力を発見
することができます。その際、余計な言葉が
けをせず、じっくり見守ることが重要です。
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