園ふぁん 2025年3月号

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- 藤實智子 先生
一般社団法人日本保育防災協会認定講
師。消防官を退職後に保育士の資格を
取得。認証保育所の園長、認可保育所
の園長を務めたのち独立。保育防災コ
ンサルタント®として保育施設の防災ア
ドバイスや保育士・保護者向けの防災
講座などを行う。
のときに子どもを守れる準備や体制を、保育防災コン
サルタント®と一緒に、いま一度見直してみましょう。
避難訓練は 想定外 を
考えることが重要
防災で一番大切なのは﹁考え
る力﹂
。起きたことが想定内で
あ れ ば 訓 練 通 り に 動 け ま す が、
外にいたら?緊急地震速報が鳴
状況を鑑みて、保育者たちが臨
らなかったら?と、さまざまな
機応変に行動できるよう毎回異
なる避難訓練をすることが大切
動のみを教えるのではなく、遊
です。また、子どもたちには行
びや読み聞かせを通して地震や
火災のときの行動を一緒に考え
る機会を作りましょう。その際
に、子どもたちを必要以上に怖
がらせないことも重要です。
防災に絶対はない
覚えておいてほしいのは、防
災においては﹁絶対﹂という伝
え方をしないこと。例えば、標
語﹁お・は・し・も・ち﹂を聞
いたことがある先生も多いかと
思いますが、
﹁おさない﹂
﹁はし
らない﹂
﹁しゃべらない﹂
﹁もど
えると、
純粋な子どもたちは
﹁絶
らない﹂
﹁ちかづかない﹂と教
対﹂に守ろうとするため、トイ
レに閉じ込められたなどイレギ
ュラーが起きたとき﹁しゃべら
ない﹂=声を出してはいけない
と思ってしまうことも。全ては
想定外のことが起きる前提で備
え、子どもたちと職員を守るた
めに日常から防災の意識をもっ
て過ごしてほしいです。
”
いる?
30年の節目を迎えます。地震大国と言われる日本で
はいつどこで大震災が起きるか分かりません。万が一
“
能登半島地震から1年、今年は阪神・淡路大震災から
能登半島地震から学ぶ、防災の心得
能登半島地震後の断水は長く、手洗いや体を拭くなど
ができないときにウエットティッシュがとても役立った
そう。水は飲料水だけではなく、生活用水の確保も必
要。また、仮設トイレは大人用が多いので、子ども用の
補助便座があると便利です
訓練では必ず園庭に避難していたそうですが、その園庭
に地割れが起こり、避難できなくなったという園も。同じ
訓練を繰り返すのではなく、 想定外 を考える重要性はこ
のケースからも学び取れます
おもちゃの置き場や配置など、
細かなことも、子どもたちを守
るということにつながります。
避難ルートになるところには物
を積んでおかないなど、気を付
けておくことが大事です
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