園ふぁん 2024年10月号
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- 待
とへの期
こ
る
す
察
は NG
まずは組織図作りから
言葉で伝えると
誤解や悩みも減ります
各世代の悩みは、多くの園で
見受けられます。うまくコミュ
ニケーションが取れない理由に
は、園の情報を伝える仕組みや
組織図がきちんと作られていな
いことも大きな要因に。察する
ことや気遣いに期待するのでは
なく、
やるべきことを言葉にし、
報告する仕組みを作ることが大
切 で す。 ま た 組 織 図 が あ る と、
正規職員の若手先生が、パート
のベテラン先生への指示の仕方
に悩むこともなくなります。
上司から、保育方法や言葉遣
いを指導されると、深く傷つい
こ れ は、
〝人のために良いこと
て し ま う 先 生 が 多 い よ う で す。
をしている 〟という使命感や責
任感を持つ「対人援助職」に見
受けられる特徴です。一生懸命
取り組んでいるからこそ、ちょ
っとした指摘が、人生観や保育
観まで否定されたように感じて
しまうのです。同じく対人援助
職である看護師や介護士など
も、そう感じてしまう人が多い
というデータがあります。柔軟
に受け止めると少し気持ちがラ
国 家 資 格キャリアコンサル
タント・公認心理師・保育士、
キャリアヘルス研究所代表理
事。園内コミュニケーション
を中心とした研修やキャリア
カウンセリング・メンタルヘル
スなどのコンサルティングを
行っている。
https://careerhealth.or.jp/
クになりますよ。
谷口真紀さん
うまく回っている園の特徴
報告する仕組みがある
しっかりとした組織図が
作られている
適度に雑談がある
仕事が終わったら、部下から上司へ“終
組織の階層を飛び越えて報告をしたり、
仕事の後のコミュニケーションや、仕事
わりました”と完了報告をする仕組みが
いろいろな人から指示がきたりすると現
の合間に声掛けが多い園は、人間関係
できている。当たり前過ぎることも、言
場は混乱します。きれいな情報伝達の
がうまく回っています。報告をするまでも
葉にしないと伝わらないもの。細かなこ
仕組みが作られていると指示系統が分
ないけれど、業務に関わるささいなこと
とも報告することを園全体で徹底してい
かりやすくなり、若手先生の悩みも軽減
を情報共有していくと、ミスを未然に防
ます。
され、責任の所在も明確に。
いだりアイデアが生まれたりします。
の
悩みはこう解 決
当たり前なことも言語化
感情を否定せずに話を聞く
保育に携わる人は、コミュニケーション能力が高く、察する力、気遣い
しっかり部下の話に耳を傾けながら信頼関係を築いていくことが大切で
ができる人が多いのですが、今の若い人には通用しないことも。
「トイ
す。その際に、感情は否定しないで話を聞くことが大きなポイント。た
レットペーパーを補充してね」など「こんなことまで必要?」と思うこと
だ、園長先生が中堅を飛び越えて若手の悩みを聞くのはハードルが高
も、具体的にきちんと言葉にしましょう。新人の先生にはメモを取るこ
い場合も。年の近い先生を教育係にしたり、メンター制(先輩が新人と
とを徹底させると、細かな情報も伝わります。
ペアになってサポート)を組織内に作ったりするのがおすすめです。
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